「優しいなんて、そんな……。ただ、杏乃ちゃんを好きなだけだよ」


ニコッて笑う千歳君。


やっぱり優しい。
こんなあたしに好きなんて言う人、そうそういないよ!?


やっぱり千歳君って、モテるんだろうな……。


なんて、一人で考えてたら、


「そういえば、帰りに教えてくれるんだよね?」


って、怖い顔で笑ってる千歳君がいた。


……やっぱり、優しいなんて嘘だっ!!


だって、目がめちゃくちゃ怖いもん〜!!


「う……うん……」


あたしは顔を引きつらせながらも、そう答えて作業に取り掛かった。


黒板を消して机と椅子を片付ける。


そのあと次の委員会で使う資料をまとめて……


次の委員会は明後日だから三役はやることいっぱいなんだよねぇ…。


しかも、文化祭まであと3週間もないっていう……。


正直、3週間であれだけのことをやるのは大変。


文化祭の企画、運営をするのは生徒会と委員の人だから、三役は特に忙しいし……。