そ、そんな~…っ
ギュウと目をつぶり、千尋先生の姿を見ないように!…なんて思っていると
「あら、千尋のヤツ寝てる」
謙先生のため息混じりの声に私はそっと目を開ける
え、寝て…る?
保健室のベッドには、額に手を当てながらグッスリ眠る先生の姿
「………」
「全く、そのベッドは具合が悪い人が寝る所だってーの!」
ちっと舌打ちをすると、私の肩から手を離して、クルリとドアの方に向きをかえて歩いていく
え…
「け、謙先生?もう行っちゃうんですか?」
一緒にって言っていたし、何か用事があったんじゃあ…
そう私は首を傾げると、先生は一瞬だけキョトンとした
「ん?あぁ―…」
「?」
「だって多分疲れてるんだろうし…私の用のために起こすのは可哀想じゃない?」
「え…」
疲れてる…先生が?
なんで分かるんだろう
お昼に会った時は"疲れてる"、なんて感じしなかったのに
黙り込む私に謙先生はフッと笑う
「いい?雪村、私は職員室に戻るから静かに待ってるのよ?」
「………」
「千尋があーゆう格好するときって、本当に疲れてる時だからさ…ね?お願い」
可愛いらしくそう言われ、なんだかチクリと胸が痛む
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