「そんな、無気力な顔するなって」
「…うっ」
だ、だって
「そんなに見られたのがショックか?寧ろ見られたのが俺で良かったじゃないか」
そんなことっ、寧ろ先生だからショックなんだ
色気ないって言われたし。どうせ、私に色気なんてないもん…
軽く黙りいじける私に先生はため息をはいた
「ほら、これやるから機嫌直せ」
そう言い、先生は私のポケットに何か固い物を押し込んだ
え?なんだろう
チラリと視線だけ移動させると…
「…あ」
そこには、私がさっき買おうとしたココアがあった
「先生…」
もう、そんなことされたら…少し落ち込んでた気持ちが和らいで来ちゃう
「…ありがとう、ございます」
「いや、気にするな」
ポケットに突っ込まれたココアは暖かくて、それが先生の優しさを表してるみたいに私の胸を熱くする
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