「気をつけて帰れよ」


「はい」


そう言い頭をさげて瑠花に近寄ると瑠花も先生に手をふり私達は保健室を出た―…
























残った保健室にクスリと笑う謙先生の声



「千尋ってば、雪村に対して随分と優しく笑うわね」


「そうか…普通だろ」



「普通?あれが?へぇ…そうなの」


全くの棒読みをする謙先生に千尋先生は呆れた視線を送る


「謙…うるさい」


「は?今、なんて言った?うるさい?」


「…………」


「分かればいいのよ。それより千尋?」


「なんだよ」

「あの答えは出た?もうすぐ一年だけど」


「………」


「…まだか」

「悪いな、謙」


「なにそれ、今さら!長い付き合いじゃないか!」





そう言い、二人は数分―…



お互いに口を開く事はなかった―…








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