先生は蒼い瞳の狼くん*2nd





「…え、お前」


「…っ」


そして、その瞳が驚いたように開かれる


理由なんて簡単だ


私の目から、今にもこぼれ落ちそうな涙に先生はびっくりしてるんだ


「サラ…」


そっと、私の頬を両手で包みゴツンと頭と頭が重なる


「どうした?なんで泣いてるんだよ」


「…っ」


なんで?なんでって…

千尋先生は分からないの?

キスのことも謙先生のことも、今のことだって…


何気ない言葉も、すべて意地悪に聞こえてくる


そう思ったら、さらに胸が痛くて…


「…ぁ」

涙が私の頬を伝う


「サラ…泣くなって、言っただろ?お前に泣かれるの弱いって。それに熱下がったばかりで泣いたらまた熱が上がるだろ」


「…っ」


そんな、こと、言われても…


「サラ」


「…っ」


流れる涙をみた先生が少し困ったような顔をする

「全く、お前は…はぁっ」



先生の手が涙をふき、そっと額に唇が近づいた瞬間―…











ガラッ

「ちーひろ!いる?」


「…っ!」


これで何回目だろうか


ドアが開いた音と謙先生のこえが私たちに聞こえる


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