「あ、いや」 だけど、私が龍之介くんを上手く誤魔化せるわけがない だからと言って、頷くと"保健室にいけ"なんて言われてしまう 普段なら嬉しいけど、今は違う 「だ、大丈夫だよ」 龍之介くんの手を押し戻して私は雑誌を開く 「朝、すこし微熱があったけど…薬のんだし…心配しないで!」 あえて、否定はしない クラクラするし、怠いことを言わなければ納得してくれるだろう そんな淡い期待をして、龍之介くんにそう言うと… 「……」 いかにも、気にくわない そう言いたそうな顔だ .