「…頑張るって、面倒くさいじゃん」

バコっ

痛いです。
母さん、良いパンチ持ってるね。

「あんたは口を開けば、面倒くさい
面倒くさいって!!
人生面倒くさいのは当たり前なの!
あんたは怠けてばかりいるんだから
他の人よりは楽してるはずなのよ!?」

分かった。分かったから。
頑張るよ、出来るだけ。
だから息子の服で鼻をかむの止めて下さい。

チーン

でかい鼻をかむ音。
出し切るまで鼻かむことないじゃないか。
息子の服で。
もうきっと着れないよ。
鼻水Tシャツ。

「…母さん、明日から頑張るから
鼻かむのやめて」

「あんたは信用出来ない。
信じて欲しいなら、態度で示しなさい」

母さん、俺泣きそうだよ。
目の前滲んできたよ。
あ、今気づいたけどもう夕方だったんだ。

カーテンから差し込む光が
オレンジに光って、外の街を照らしてる。
あー、明日は学校行かなきゃな。


面倒くさいと思いながらも、
テレビへの視線は外さないまま
一日が終わった。