「…えーと、次に
√の中に-があった場合だが
√の中に-があると
iは外に出ることになる。
だから√-3の時は√3iとなる。
んーじゃあ練習問題5解いてみろ」

数学の授業。
なんとつまらない。
隣の席の山田くんは寝てしまって
構ってくれない。

「山田くん、山田くん」

揺すっても起きない。

「やま、だ……」

ガシッ

怖い怖いよ。
ちょっとしたジョークじゃないか。

「…山田ってだれ」

寝起きのガラガラ声で千草が
俺を睨みつけながら言ってきた。

「決まってるだろ。お前だよ。
隣の席の名前は山田って
昔から決まってんだよ。知らねーの?」

「知らねーよ。うるせーよ。お前も寝ろ」

あっという間に頭を鷲掴みにされて
硬い机に叩きつけられる。

…永眠。