バシッ
急に頭に酷い衝撃が襲ってきた。
何事だと目を開ければ、
まさしく鬼の形相で俺を見下ろす母親。
「…ぇ…何事?」
空気を読めない俺の一言に
プチっと何かが切れる音がした。
「あんたは!毎日、毎日ダラダラと!!
学校行かないんだったら働きなさい!!
働かないんだったら学校行きなさい!!
とにかく家庭に何も利益を生まない、
それどころか
出費ばっかりのあんたを置いてあげる程、この家は優しくないのよ!」
母親が怒っている。
訳は分かるが、そんなに怒んなくたって
良いじゃないか。
学生にだって息抜きは必要なんだ。
ボコッ
「杏平、聞いてんの!?」
聞いてるよ、聞いてるから。
何度も殴らなくても良いじゃないか。
「…はぁ、別にあんたが
たまには休みたいって言えば分かるわよ。でもねぇあんたは昔から
息抜きだけは上手ってゆうか、
頑張ってるとこ見たことないのよ?」
あはは、あは…
バレてたか。


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