「ねぇ、花梨ちゃん」
「あー?」
先生が五月蝿く喋る授業中、後ろの席の美樹が小さな声で私を呼び、振り替えってみると、美樹の手には綺麗に折り畳まれた紙があり、優しく私の手の平におき、またも小さな声で、
「それ、読んで」
と言い、美樹は私に前を向くように指示した。私はすぐに前を向き、手の平にある綺麗に折り畳まれた紙を見た。
「…(手紙かよ…)」
私は、めんどくさいと感じ、適当に見て適当に返事をしようと思った。
「…(…はあ)」
カサカサ…
小さく音をたてながら紙を開いた。
[花梨ちゃん、直人の事好き?]
