『これ、美希さん、これあげるよ』 『へっ…?いいの?』
私にくれたのは、赤と青のミサンガだった。中学卒業の日にミサンガをあげた…
一瞬だけ…ー私は、恋をした。あの少年の名前なんて…知らない。

私は、高校1年。春になると、あの少年ばかり考えてしまう私って…ー変な人?
『美希!オハヨー♪』
『泉ちゃん!オハヨー♪♪♪』

私の居場所は、家と学校。外を見ると、朝練をしている、サッカー部と、野球部
『美希、いつもミサンガしているよね?何で?』
『それはね、中学卒業の時に、隣のクラスの男の子がくれたの…』
『へ~~…』

『それより!私…恋しちゃった♪♪』
『えっ!?うそぉ~…あんたが…ー!?』

泉ちゃんが恋をしたのは、バスケ部の織田健司君。織田君は硬派な性格が強い印象的で、何故か女子にモテる。

『きゃ~~!!織田君だぁ!!今日も素敵!』
『!!? うるさいよ!泉ちゃんっ!!』

…? あれが…ー、硬派な、織田君? 硬派にはー…見えないけど…?
風が、なびいた。 チャイムが鳴った。
『私…図書室に行って来るね。』