そんな君が愛しい




「わ、亘…?」


「あぁー…マジむかつく」


そう言って頭を掻く亘は
怒ってるように見えなくて

逆に
すごく嬉しそう……。



「も、もしかして亘って
羅南のこと……」



バコっ


俺がそこまで言った時
亘は教科書で
力強く俺の頭を殴った。



「それ以上、言うな!」



恥ずかしそうにする亘を見たのは初めてのことで
俺は笑みを溢す。



「…なに笑ってんの?」



「くくっ……亘が可愛いなって(笑)」



そう言うと
また頭を殴られた。