「でも、ありがと!
沙葉の背中を押してくれて。

見直したっ!」



そう言って
月村は今まで俺には
見せたことがない笑顔で
俺に言った。




「……そりゃどーも」



素っ気なく返事をした後
俺は月村を
通りすぎていった。




……なんだろ。

この胸のざわめきは…。




まさか…………



――――まさかね(笑)




俺は軽く笑いながら

階段を下りていった。