さっきまで嬉しそうに
クッキーを見ていたくせに

亘は冷たい態度で
すべて断った。



「お願いっ!
一ノ瀬くんに食べてほしいの」



「……っ!
だから、要らないって!!!」



亘は
そう叫んだ後に
沙葉の持っていたクッキーを
払い除けた。



その弾みで
包み紙は沙葉の手から落ちて
廊下の叩きつけられた。



そして袋からは
美味しそうなクッキーが
溢れでる……。




それを見て
亘は悪そうな顔をした後
すぐに真顔になって
俺と沙葉から
離れていってしまった。