私には、もう夢に向かって生きることしか残されていない。

ずっとずっと、そんな人生だった。

16歳の頃、ライセンスを取得し、バイクのレーサーとなった。

そして、レース活動を開始した。

週末になれば、河原の特設コースへ練習に行ったり、サーキットへ走りに行ったりした。

そして、年間十数回のレースに挑んだ。

プロのレーサーを目指し、ただそれだけに生きた。

しかし、それは叶わなかった。