……

ん…、あれ…
私寝ちゃった?

いけない、HRは?



やけに賑やかになったクラスメイト達の声で眼が覚める
HRは終わったようだ

涎が出てないか確認のために手の甲で口端を拭いながら前方にある黒板に自然と視線がいく


「え…?」

黒板には白チョークで簡潔な文字


図書委員 川島 雪




「頑張ってね川島さーん」

「自分から立候補なんて偉いよなー」

「私が…立候補?」

うそ、立候補なんてしてない…私、寝ちゃってたのに出来る訳ない!

心音が、早くなる




「ほんと、先生も感心してたぜ。」

入学して、同じクラスになっても私に話しかけなかった目の前の男子
今日に限ってベラベラしゃべる...こいつの名前はなんだっけ?
それすら覚えてない。
辺りをみれば他にも数人笑ってる女子達もいる





私の寝てる間に何をしたの?
自分がやりたくないからって私に押しつけて…っ

「早川も、お前が代わってくれるなら安心して転校できるなー」

嘘つき…嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき







自分を守る、頑丈な殻が…更に私を守ろうとするのがよく分かった





かたく、かたく

頑丈に

何人たりとも入れない
独の世界