仮病に口止め料


だって考えてくれ。
(母性をくすぐれそうな乗り越えましたアピールの)過去についての本音など、

俺の彼女はあのショボイ田上結衣だから、恋愛漫画の天然素直なヒロインみたいに天使ハートを所持していないため、

どんなに彼氏が一生懸命己の歴史を打ち明けようが、決して親身になってくれやしないのだ。


そう、『自ら苦労話するとかギャグ?』とか『モテトークじゃんそれ! ウケる』とか、笑いながらぶった切られる。

そして、当然その笑顔は可愛いと既に分かっているのだけれど。


二人に真剣さは似合わない。
二人に本気は相応しくない。
二人に純愛感は馴染まない。
二人はどれだけ馬鹿馬鹿しく雑な恋愛ができるかに未来を夢見ている。

この胸の内の一番真ん中にセンスがない言葉で隠しているお花畑の国のお姫様への俺の想いは、

日本語を歪んだ瞳で解読するしかできない人にだけ見つけることはできる魔法。

ないないない、何もないから気ままでいいじゃないか。