仮病に口止め料


そう、中学前半は親の存在と自分の在り方に悩んでいたとか、小学生の頃は無邪気に甘えてくる弟と仲良くするふりをして内心大嫌いだったとか、

本当の本当はマドカ高校なんか受験したくなくて文系進学私立に通いたかったとか、なかなか(可愛らしい)ヘビーな思春期を送ってきた訳だが、

もう終わったことをわざわざ恋人にメソメソ相談する趣味はない。


もちろん彼女に俺の昔話を聞いてほしい、どんな経験をしてどんな人間関係を築いて今の俺が成立しているのか――彼女に俺を知ってほしい、そしてもっと俺を好きになってほしい。


しかし、そういう熱い想いを語る行為は、性格が悪い俺の脳内だと情けないけれども(自分大好きな)自己演出に見えてしまう。


ちなみにこの意味がよく分からない人は、生温い俺によると凄くピュアでファンシーなお嬢様だと推測される。