仮病に口止め料


さあ、甘ったるいキスをしちゃう二人きりのメルヘン空間でさえ恋人に溺れられない近藤洋平という人間は、

ブログやつぶやきで恋愛観を語ったりプリクラを披露する同級生に比べ、非常につまらないドライな奴となる訳だが、

そのような本性を自覚している故に、

隠蔽目的でわざとユニークぶっている真意をセオリー通りになぞると、

(好感度アップに働くプラス女子がときめくお約束)、

まず目の前の女神に心の闇をちらつかせ、次に生い立ちを打ち明け、

更に過去を乗り越えた本当は弱い自分を演出させるべきなのだろうけれど、

いかんせん、俺は三流なのでしっとりクールにカミングアウトする状況が無理そうだから、適当に内緒にしておく。


損だと思う。
『愛してる』とか『死んでもお前を離さない』とか、『頼むから傍にいてくれないか』とか、

俺が口にしようモンなら脚本オレの自己陶酔あるいは胡散臭いったらない。