仮病に口止め料


そうすると薄目の彼女が恋人の感触が無くなったことを寂しがるのか名残惜しがるのか、

無防備に開いていた口を一度小さく引き攣らせる反応をすることを知ってしまっていた。


それから(高校生としては生温いレベルのキスぐらいで)視界が滲んで焦点を絞れていない潤んだ瞳を彼氏に向けてくることも俺は分かっていた。


そんな物知り洋平様だったのだが、「あつい」と、

少し怒ったようにむくれられるとは読めなかった。

キスの最中よりも荒い呼吸を調える事後の方が理性を破壊しやがるのはなぜだろう。

俺としたことがイチゴかき氷を白いシャツに落としたように、肌を真っ赤に染めてしまう。