仮病に口止め料


優しく作ってくれていた入口へ遠慮がちにお邪魔していく。

エアコンの機械音さえ無くしてしまう二人だけの雑音が耳元で踊ってくれて、

風邪のためか普段より熱っぽい違いが俺の(保護者ビジョンでは下心と言われる)恋心が花開く。


拙さが好きだし――どちらかというと、かなりの割合で自分が主導権を握りたい俺は変態予備軍なのだろうか。

今はまだ彼女に戸惑われたくないから初々しい程度に手加減をしているが、

向こうが慣れてくれたらすぐに新鮮さを提案するであろう自分に引く。


けれど、溺れさせる方がいけないのだ。

恋愛は引き分け、おあいこ、常に両者が善で悪と説けば、洋平容疑者に逃げ道ができるのでもっともらしく括っておこう。

つまり、キモいではなく可愛いってニュアンスにごまかせば、それは純愛達成の近道である。