仮病に口止め料


両思いの今、愛しの恋人に惚れ直されたいなら、俺は頭が良いので簡単な仕組みを知っている。


それには場所や状況など詳細は構わないが、とりあえず神妙な顔つきを意識すれば手っ取り早い。

唇をきつく結び、目を細め、女がハッとする真面目な表情に自信がついたなら、

真剣に夢を語るという(鳥肌)壮大プロジェクトに取り掛かろう。

というと、唐突すぎて参考にならないだろう。
何事も見本がないと分かりにくいから、俺の場合はこうだ。


まず、『あのさ、話があるんだけど』と、彼女に勿体振ってみる。

次に、『誰にも言ったことないんだから笑うなよ?』と、照れ臭そうに俯く。