ゆるやかに流れるまとまった熱気は部屋の角に落ち着けばいい。
きっと地上では時間指定の宅配便を届けるお兄さんやらワイドショーも済んで気分を変え晩御飯の買い出しをする主婦やらが、日常を作り出しているのだろう。
そうして普通が大事の一日を無事に終えていくはずだ。
上手いお喋りができない俺は、ただ繋がった手を眺めるしかできない。
ぽこぽこ山ができた真っ白な左手と筋が張った右手が作る恋人らしさが好きだ。
結構前に流行ったマカロンのお姫様色に似た彼女の唇から、
砂糖を入れ換える時の効果音にぴったりな音程の甘ったるい声がした。
「、キス」
キス、それはお昼休みに欲張って(イケメンな)俺がせがんだもの。



