仮病に口止め料


ダサイ俺がどんなに頑張っても、粋な男子高生たちみたいに可愛い恋人の後ろからそっと抱きしめてやれないし、

(日頃から鍛えて自信がある)自分の胸を貸してやれないし、

キスで泣き止ますとか甘い言葉をプレゼントするとか、現役女子高生ウケが良い彼氏を演じることが全くできない。

つまり、恋愛っぽい言動は性格かなんなのか照れ臭く、人一倍憧れる癖に無理な人間にとっての愛は結局一つ。


繋がる手から言葉にならない想いを送れるはずだと過信した俺は、唇をそっと開いた。

「田上の結衣さん暇だろー、なんか喋っとこっか、えとー、なんかないかな、爆笑必須漫談をー、んとー……、

今日も暑いな、汗で日焼けで最悪だ。明日も暑いそーで。あ!、そうそう日焼け止めって専用ん落としじゃなきゃ落ちないじゃん?」