仮病に口止め料


小学生の頃より中学生を過ぎた辺りから、風邪を引くとひたすら淋しくなるのはなぜだろう。

子供にならい好きなだけ親へ甘えられなくなってしまい、勝手に心細くなる不思議。


俺の大切な少女は異性でも友達として認識している奴には馴れ馴れしくフランクなノリなのに、

彼氏として意識した存在になら駄目で、自分から触れてくることはまずない。


つまり今、たかが手首を握られただけで堪らなく嬉しいと同時に、

それだけ今、不安なのだろうと愛おしく感じたから、勇敢な少年を目指ししっかりしようと思った。


怠い癖に無理して首を起こし、潤んだ瞳で一生懸命俺を見ようとしてくれるその姿に愛を覚える。

だからお返しとして、手を繋ぐように調節してから、俺は愛を始めてあげることにした。