いつかもっときつく頭を固定して(定義は謎だが)大人みたいなキスをしたいし、
むしろ奥手というよりは緊張しぃな彼女から(経験値が高いメンズも引くぐらいの積極的な)口づけをされたい――なんて馬鹿な発想に辿りつかないのは、
病人の輪郭が異様に熱くて、健康体の自分的に可哀相だったせいだ。
やっぱり、たかが風邪でも早く元気になってほしい。
アホっぽく横断歩道の白しか踏んだらダメとか、電信柱までダッシュして負けた方がプリクラを奢るとか、
身体いっぱい子供らしく遊べる俺たちの毎日の恋愛は幸せだと痛感した。
ぼんやりと今の二人の喜びを噛み締めていると、不意に手首をしめつけられた感じがし、違和感の場所に目をやると、
彼女に掴まれていたのだがもうそれは反則で、恋心が飛んで喜んでしまい、
熱が移ったみたいに、俺の顔も今チークを塗りたくった色に染まっているはずだ。



