仮病に口止め料


まだキスしかしたことがない女の子。
一方、元カノとそれなりに経験をしている男の子。

チークの筆を誤った彼女の顔面は違う意味で破壊力があって、

そもそも息づかいとか揺れる肩とか朧げな瞳とか、なんかもう風邪に苦しむ様子は全体的に妄想には完璧な訳で困ってしまう。


「……お姉ちゃん、早く帰ってきたらいーな?」

そのせいで、俺としたことがらしくないオチのないつまらないお喋りをする辺り、いまいちペースを掴めていない証拠だ。


そうだ、(ファンタジックな)僕は気付いてしまった。
彼女との交際は、まるで初恋の気分にさせ、ときめきの魔法にかけられるのだ。

傍にいるだけで、目を見ただけで、考えるだけで、なんかこうふわっとした幸せっぽい。