仮病に口止め料


辛そうな姿を前にちっとも親身になって心配してやれない神経を自重し、

「黙ってて良いよ」と、わざと(骨に響くような甘めの)低い声を意識して優しく囁けば、

少しだけチークの魔法がかかった彼女が唇に笑みを添えて返事をしてくれたと、恋に熱心な坊やらしく解釈した。

そう、自分たちの関係が不滅で永遠で純愛だと信じる秘訣は、今を痛く捉える精神力の強さである。


つまらない毎日、くだらない会話、マンネリ気味のデート、なんでもかんでもマイナスに見るならセンスが皆無だ。

(他人がうざがる程の)オーバーリアクションをとって、(他者が呆れるレベルで)不必要に笑って、

(自撮り写メをアップするばりの)ナルシストになれば、この三流純愛は大人になった時に宝物となる。