仮病に口止め料


というのも、朝の段階で俺が(浮かれたりせずに)しっかり察していたなら、

多分風邪は軽めで済み、今こうしてしんどい事態になっていないと思ったから、責任や罪悪感を覚えなくもなかった。

また、今後密接になるであろう田上家の人には、気配りのできない図々しい奴よりも、

やはり空気が読めるナイスな高校生という評価もいただきたいのが正直なところ。


そんな訳で、妹の彼氏の提案を聞くなり唇の端二点を持ち上げお姉さんに目力を残したまま笑顔を向けられたなら、

(盛りのついた男子高生を前に身内心理では)、ありがとうと送り出されると思った。