それは荒山に生きる雷にも似ていたし、魔女の怒りにもそっくりだった。
要するにスキップできる空気ではなかった。
「も、うざ。お腹なんか入れよって言ってんの。飲み物普通に用意するから食べ物聞いてんじゃん。あほ? 結衣おかゆ食べるーはい決定。」
風邪薬を飲ませたから胃に何か入れたいらしきお姉さんの強行突破に俺は待ったをかける。
だって彼女はお腹が空いているはずで、でもからだが熱いから熱い食べ物が嫌なのだと、熱い恋をしている洋平探偵は推理したから、
「ゼリーとか?」と、紳士らしく提案したなら、お姫様が嬉しそうに笑ってくれた。
意思疎通をはかれる関係が嬉しい。
何も言葉にしなくとも二人には絆がある、これぞ彼氏彼女以心伝心の魔法で馬鹿馬鹿しい脳みそをしている証拠だ。



