仮病に口止め料


キッチン手前の天井にある電気は真ん丸な円で、どこか地に足を付けられずにいるテンションの俺は、

太陽の真下に立てばこんな風に見えるのかなとどうでもいいことを思った。

テーブルの隅に飾られているのは、この季節水分補給に持ってこいの梨で、

手編みだと思われる布が丁寧に被せられている。

その日常感は親子の仲が良い家は朝食にフルーツを振る舞う習性がある説を浅い洋平君マイルールによる統計上導き出しているため、

田上家が明るい家族だと推測されるには十二分だった。


今を否定したり男女差別をするつもりはないが、きっと概ねの人間は考えたことがあるはずだ。

旦那が働いて奥さんがご飯を作って子供たち揃って食卓を囲む、共働きをしなくとも経済的にゆとりがある時代が戻れば良いのにと。

ついでに携帯電話とかPCとかがいっそ無くなればいいのにと、夢みたいなことを。