仮病に口止め料


さて、思春期の時代に(陰を演出することで)モテると噂の自己啓発語りをしてみよう。

――もしかするとお喋りが好きな人間は、自ら音を発しないと誰にも注目してもらえなかった幼少期にトラウマがあるのではないだろうか。

また、話力に評価が高い面白い奴は社交的ではなく、実はコミュニケーションを自分からとらなければと焦っている背景が関連しているのではないだろうか。


とりあえず、『人見知りなんだ』とか『初対面は緊張して……』とか、

苦笑いの受け身姿勢であれる人は相手の中で刻々と評価が下がったままよく無言でいられるなと尊敬できる。

俺は馬鹿だから黙る時間を提供する勇気はない。

間を埋めるためにたくさん乱射する言葉は格好悪いのだけれど、目の前にいる存在には精一杯『ユニークな近藤くん』と慕われたくてたまらない。

だって、弱さを隠す自分らしさを偽れるのは自分だけなのだから。