仮病に口止め料


いつも笑っているのは自分で、いつも笑顔を見せるのは向こう。

それは現実をごまかす嘘であるけれど、逆に真実でもあって、耳を引っ張れど何も聞こえやしなかった。

もやもや(断じて妄想ではない)考え方をしている純粋少年を、

きっとこういう時に恋愛に一生懸命な少女が『ほっとけないわ』と、愛したくなるのだろう。


「なんかお腹すくねー、食べよっかー付き合って? 二時だね、お昼にしよ。鞄重かった」

こざっぱりした声が髪の毛に乗っかるように軽やかに落とされた。

この姉の凄いところは察しが良いところ――だから苦手なのだ。

まだ朝のままのお弁当バック、俺の心理などお見通しなのだろう。


そして、ふと思い出す。