仮病に口止め料


明かりのない空間は色彩を奪われ薄暗さに角の境目が謎で、

お姫様の部屋のドア一つ越えればそこはあまりにメルヘン要素がゼロ、

まるで廃墟のように音を生めば空気が全てを吸い込んで殺す。

閑散とした廊下は田上ファミリーの親密さに反し空き家みたいな印象を受けるため、数回訪ねた割に俺は慣れる予感もない。


なんとなくおばちゃんは小洒落た趣味を持つ主婦のイメージで、トールペイントやら切り紙やらが飾られていそうな期待があったのだがそのような毛色はなく、

やっぱり習字の賞状とか記念写真をディスプレイしたがる近藤家のアットホーム押し売り感とは様子が違う。


つまり、育った環境に共通点はなさそうだ。
それならば、なぜ二人は笑いのツボが似ているのだろうか。

授業中に消しゴムのカスを集めて練り消しだと爆笑できる波長の一致さ、これは(安価な)人生最大の解けないミステリーだ。