仮病に口止め料


俺が玄関から運んだ際、(スカートの中が見えないよう粋な計らいで)、

びっくり箱の蛇腹みたいに折り畳み座らせた彼女の足をお姉さんがスライドさせた。


意識はあるものの無気力なお人形はされるがまま、

(本来は彼氏の俺の所有物だが、今だけは持ち主となった)田上家の長女が、

人差し指をふくらはぎと靴下の隙間に入れて足へと下げると、白い肌が弾けて現れた。

次にネクタイを解いたなら息がしやすいようにまごつきつつ襟を広げ、

そうしてスカートからブラウスを引っ張り出した際に、

お腹ではなく(一枚六百八十円で雑貨屋の隅によく並べられているであろう(恐らく私服コーデのアクセントになる胸元がレース地の)無難な黒色の)キャミソールが見えた故に、

直接的な肌色よりもときめいてしまう。


一連の流れになぜ恋心が喜ぶのだろう?
俺は(学年で一番ショボイ恋愛に懸命なため)目が離せなかった。