仮病に口止め料


「ちょっと結衣の、デートとか、さ。結衣んこと話してくれる?」

人差し指をフックにし、耳に髪の毛をかける姿さえ美しいお姉さんに対して調子よく俺の心臓が一回跳ねたのは生理現象だと配慮してもらわねば、

あまりに節操がなさすぎて悲しいったらない。


初めてお姉さんと会った時に、クラスメートのノリが良い口調に比べ落ち着いた話し方をする人だと彼女に俺が感想を述べたなら、

ソトヅラだからイイ女を気取った偽りだと妹は笑っていたが、

やはり大人っぽい雰囲気に呑まれ、十代的には少し恥ずかしくて調子が狂うばかりだ。


「聞かせて?」

「あはは、はい」

従って、彼女いない歴年齢の男子ばりにドギマギしてしまっている。