仮病に口止め料


ああ、真面目な雰囲気は苦手だ。
どうしてもポジティブに逃げてしまう。
それは嫌なことから目をそらす、つまり現実を見ないふりする俺の悪い癖だ。


……――と、青春に生きる一生懸命な十代ならば悩んで迷って乗り越えて、そうして二人深い関係になるのだろうが、

残念なことに洋平氏は皆みたいに恋愛と向き合えない。


なぜなら、今の交際、田上結衣という人は、可愛いから気になって、可愛いからしたくて、可愛いから好きになれて、

可愛いから告白してみて、可愛いから楽しくて、可愛いから彼氏を続けたいだけだからだ。

俺は彼女を愛している。
その理由は、学年の中で普通に可愛い生徒だから大事にしているだけ。

可愛くなかったら知らない、この恋愛はなかったことになる程度と主張したがるのが三流の自分らしい照れ隠しだ。