仮病に口止め料



「なに、音! 今んなに?」

親戚の家でテンションを上げた子供ばりの足音を立てて(右手にリモコンを持った)慌てた様子のお姉さんが、

黒目のふちを剥き出しにし、ドアから現れた。

だから俺はとりあえず来客として、「田上さん風邪?で。学校熱計ってないけど本人辛そうで結構普通に熱凄いから早退し――てかとりあえず運びます俺、で、えと。上がっても?」と、

あまりまとまっていない説明がてら提案をした。


「あ、うそー熱ー、えー……風邪か、あー……と、お願いしていいかな」

門番の許可を得られたので、ごめんとありがとうを浴びつつ、夢の国の王子様は大事なお花畑の国のお姫様を部屋まで運ぶことにする。