電車からおりて改札口を出る。今日は雨だったから駅まで歩いて来た、だから帰りも歩き。
歩くのは疲れるけど柚子とまだ居られるのが嬉しい。


ん、と差し出された手をギュッと握って帰る。


「柚子っていつも手暖かいね。」

「そうか?心があったかいからかな〜」


わははと笑う柚子。

夕日に照らされた柚子の笑顔は絵になる。
普通に笑っていても見とれてしまう笑顔なのに夕日のせいでもっと見とれてしまうじゃないか。


「陽南見過ぎ。」


柚子が照れくさそうに言った。


「いいじゃん。」


といいつつも柚子につられて顔を赤くしながら目をそらした。