そんな裕くんが、
すごく好きで、好きで……。
でも、そんな気持ちを伝えることのできないあたしは最近、日記を書くようになったんだ。
自分のどうしようもない想いを、この日記帳に託して――。
日記帳の中だけは妄想が膨らんで、裕くんの彼女になってしまったりする。
裕くんとのデート。
裕くんとの記念日。
妄想が妄想を呼んで、甘い場面を想像してみたり。
でも、いつも大事なところでママに呼ばれたり、電話が鳴ったりであたしの妄想はそこで中断。
こんな恥ずかしい日記、誰にも見せられないから鍵付きのを雑貨屋で買ってきたんだ!
この日記を裕くんに見つかりでもしたら、もう二度と裕くんの前に出られないよ。
だから、誰にも見付からないように隠しているの。
机の一番下の引き出しに、裕くんから貰ったお菓子の空き箱に入れて。