隣のお兄ちゃん



「じゃあ、葵のチョコ、貰ってもいい?」


「うん…。ホントに貰ってくれるの?」


「当たり前じゃんか!それを楽しみにしてたんだから♪」


泣いたり、笑ったり、あたしの心は忙しい。


カバンを開けて、教科書と筆箱の間に入れられたチョコを取り出した。


「やばっ」


ぎゅうぎゅうに押し込まれたチョコは、ラッピングが捲れている。


「えー、やだ。どうしよう」