「あ〜あ、とうとう言っちゃった!俺も、さすがに恥ずかしいよ」
塀に寄り掛かった裕くんは、ズボンのポケットに手を入れながら照れている様子だった。
今の話は本当なの?
裕くんの好きな人って、優華先輩じゃなかったの?
優華先輩じゃなくても、世の中にはいっぱい可愛い人いるよ。
あたしはただの幼馴染。
あたしはただのお隣さん。
あたしが自惚れすぎて、自分のいいように聞こえちゃったのかな?
ねぇ、ねぇ。本当に本当なの?
「ところでさ、葵がそれだけ一途に想ってる奴って、誰なの?いい加減、教えてくれてもいいんじゃない?」
―――…。


