隣のお兄ちゃん


「この前言っただろ?ずっと好きな子がいるって。本当はその子から直接、貰いたかったんだけど……ダメだったわ」


「そうなんだ……。じゃあ、あたしはその子の代わりってことか」


一気にまた沈んだ。


その子以外からは貰わないと決めたのに。あたしからは受け取ろうとしている。

嫌だよ、そんなの。


もう顔を上げられなくなっていた。


なんか、胸が痛いよ。

痛い。

あっ、ダメだ。


今、顔を上げたら裕くんに見られてしまう。

私の涙を……。