隣のお兄ちゃん



「サンキュー!由美ちゃん」


無事に受け取ってもらった由美はホッとした表情。


勇太先輩も人気があるから、もしかしたら受け取ってもらえないかも……と心配してたのだ。


「よかったね」


「うん」


由美は偉いなぁ。ちゃんと自分の気持ちに正直になって、チョコを渡せたんだもん。


由美、すごく嬉しそう。


―――…?


勇太先輩がこっちを見てる。なんだろう?と首を傾げると、


「葵ちゃんは、誰にもあげないの?」と、聞かれた。  


「えっ、あたしですか?えぇーと、まぁ、そのー、はい、あげないと思います……たぶん」 


最後の方は、自分でも何て言ってるのか分からないくらい、小さな声になってしまった。