由美だけは、私が、裕くんのことを好きだってことを知っている。 小学校から仲のよかった私たちは、隣に住む裕くんとも、何度か一緒に遊んだことがある。 昔、一度だけ、由美に言われたことがある。 「きっと、裕くんは葵のこと好きだよ」って。 でも… そんなの、言った張本人ですら忘れてるくらい、裕くんと私との間には見えない距離があった――。