いつでも、裕くんは優しかった。 そして、いつでも私のことを気に掛けてくれていた。 幼稚園の頃―― 高く漕ぎすぎてブランコから落ちてワァワァ大泣きしていた私に、 「よしよし。痛いの痛いの飛んでけ〜」って、おまじないをしてくれた裕くん。 小学生の頃―― 同じクラスの河野って体の大きい男の子に泣かされたとき、 「俺の大事な葵に何すんだ〜」って、パンチしてくれた裕くん。