どうしよう。“葵”って、裕くんが言ったよ。 “葵”って、昔みたいに呼んでくれたよ! キャーーーッ!! それだけなのに、飛び上がるほど嬉しい。 めちゃくちゃ嬉しいよ。 どうしよう、どうしよう。嬉しすぎるよ。 でも、そんなところ裕くんには見せられないから、あたしは平静を装った。 「急にどうしたんですか?」 気付いたら、あたしは敬語を話していた。