でも、家へ帰るには、あの二人のいる自転車置き場に行かなくてはならない。 見てはいけないものを見たような気がして…。 素通りして一刻も早く帰りたいのだけど。 そんなわけにもいかず。 先輩に挨拶しないで帰るなんて、中学ではご法度。 仕方なく、自転車を押しながら「さようなら〜」と挨拶をした。 すると、 「葵ちゃん、由美ちゃん、バイバ〜イ!」 って、里佳先輩が笑顔で挨拶してくれた。 その隣で、裕くんが、「よおっ!」ってな感じで、手を挙げていた。