舞桜は持っていた鞄を
漁り始めた。



「ない…教室だ…」



既に泣き目になっている舞桜。



「仕方ねぇな…取り行くか。」


俺は再び校舎に向かって
歩き始めた。




「…っ!私取ってくるから夏龍君はここで待ってて!」



舞桜はそう言うと
走って行ってしまった。




「何だあいつ…」


慌てて校舎に戻る
舞桜の背中を見て
小さく笑った。