「何で怪力娘になるんだよ!」


「だって、ほら見て」


そう言いながら聖はあたしの机の上にあったシャーペンを指差した。


あたしは聖にそう言われ、自分のシャーペンを見た。


「……」


「見ての通り」


あたしが目にしたもの。それは真っ二つに折れたシャーペン。


あたしが机をたたいた時にシャーペンも一緒に叩いてたみたいで勢いでシャーペンが折れてた。


しかもあたしが書きやすくて一番気に入ってたやつ。


「だからこれから藤倉は怪力娘」


そう言うと聖は、


「じゃ、次の授業、俺サボるから」


そう言って席を立ち、教室から出て行った。


「……」


最悪だ。


からかわれるどころか、変なあだ名をつけられてしまった…


あたしは一つ大きな溜息をついた後、次の授業の準備をした。